『肌色』=『茶色』火曜日は参観日でした。今回は算数の授業。 お題は『駐車場に車が8台止まっていました。後から3台来ました。全部で何台になるでしょう?』 『8+3=11』という繰上りの計算。 確か、公立小学校に通う友達の1年生の子どもの宿題を見せてもらったら、2週間位前の宿題で、すでに繰り上がり計算の問題がたくさん出てました・・・・ 何事も途中過程を大切にするうちの学校。たった一代の問題に1時間かけるんですよ! でもこれがすばらしいの。 『どんな式が考えられるかな??』 ということを子供達に問いかけた先生。大人の考えからはとても出てこないような意見がとびかいます。 『え~??絶対こっちの子の意見の方がわかりやすいのになあ・・・・』 なんて思ってみているのに、子供達ば別の考え方の子(実はジャスミンの意見だったのですが・・)の方が分かりやすいって言うんです。理由まで言うんですよね。 毎回感心するのが、子供達、積極的に自分の意見を発表します。間違ってるとか人と違うとか、そういうの関係なし。『自分の意見はこうです!』ってう姿勢で発表するんですよね。 しかも、先生も『これってちょっと違うんじゃあない??』なんてこと、一言もいわずに、『あ~、そうかそうか。Aくんはこう考えたんやね。他に意見ある人~。これと違うやり方でやった人~?』みたいな感じで、意見が出なくなるまで徹底的に子供達に意見を言わせるんです。 で、その中から、子供達が自分たち自身で応えを見つけられアドバイスを投げかけてくれるんですよね。 今回の繰り上がり計算では、ジャスが言った意見に賛成した子がたくさんいたのですが、実際はもっといい考え方があったんです。そうして、それを子供達が気づき始めた時、先生はすかさずジャスミンを指名して『どれが一番わかりやすいと思いますか?』って聞いてくれたんですよね。 それでジャスは『kさんのやり方が分かりやすいと思います。』ということで、自分の意見を否定することなく、Kさんのやり方がいいと素直に認めることができたんです。 この持っていき方はほんと拍手もんでした。ベテラン先生だということもあって、毎回感心する部分がたくさんあるんですよね。 すべての子を否定せず、まず受け入れてから『気づかせる』こと、なかなかできないと思います。 繰上りの計算、『これはこうしてこうします。』って教えれば簡単なんですよね。 いや~、公立に行ってる兄弟のいるお母さんも、『いやなかなか普通ここまで時間かけないわよ~。』と感心されてました。 あくまでも、子供達自身に考えさせ、自分で意見を言わせて気づかせるやり方なんだなあ・・・・ってあらためて思いました。 こういうやり方って、きっと子供達も単にやり方を『覚える』だけでなく、『理解する』っていうことに繋がるんでしょうね。そりゃ あ、公立よりも進むのに時間もかかるはずですよね。 ですから進学するなら(私学に)、早くから塾に行かせないと・・・と言われるのがようやく理解できるようになってきました。 もう1つ。感心というか、感動したことがありました。 今回の参観後の懇談の時に、先生が『クラスで目標を決めました。』と黒板の上に大きく書かれた1年1組のスローガンについて説明してくださったんですね。 皆でいろいろな意見をだしあい、皆の意見をあわせて『みんなで 仲良く たのしい クラス』というスローガンを決めたのだそうです。 先生が真ん中にこのスローガンを書いてくださった周りには、それぞれが書いた自分の顔が張ってありました。 それを見たとき、正直、ドキっとしたんです・・・・ なぜって、ジャスミンの顔、茶色いクレヨンで綺麗にブラウンに塗られていました。 しかも今まで書いていたお人形さんのような顔でなく、二つに分けてくくった前髪も(くせ毛なので、前髪短くできないんです)くるくる巻き毛も、正確に描かれていました。 今まで保育園でもたくさんの絵を描いてきましたが、自分の顔を『茶色いクレヨン(色鉛筆)』でこんなに力強く描いていたことなんかないんですよね。肌色=肌色のイメージありませんか?肌色=茶色ってイメージ、ないですよね? あんなちゃんが以前くれたメッセージにあったんです。 ジャスがあんなちゃんにお手紙を書いて、その中にお人形(自分の)を描いたんです。それには顔の色は塗られていませんでした。それを見てあんなちゃんは彼女の心の中にある肌の色に対しての気持ちを読み取ってくれたようなんですね。どきっとしたそうです。 母親の私も気づかなかったことなのですが、確かに、肌色でみな自分の顔をかきますから、無意識うちに茶色に塗りつぶすのには抵抗があったのかもしれません。 それが、今回の絵は、ほんとにダークなブラウンで顔全体が塗られていたんです。しかも真ん中にどうどうと貼ってありました・・・・ なんかだ涙でそうになりました。 成長したんだなあ・・・って。 自分自身を受け入れることができてるんだなあ・・・・って。 アメリカ人と日本人のMIXであり、自分の中にはアフリカンの血が流れているんだってこと、自信を持って誇りを持って欲しいなと思って来ました。 それでも日本で生活する以上、他の子との違いは一目瞭然。いろいろな思いもあったかもしれません。 帰ってから、話してみました。 『ほら、学級目標のとこに書いてた似顔絵。すっごく上手だったよ!ママすぐジャスミンがどれかわかったもん!』 するとジャスミンは 『ほんま~?(めちゃうれしそうに)先生がな、鼻はこんなやろう~?とかって教えてくれはったから、よく見て描いてん!そうしたらな、皆がジャスミンちゃんの絵、ジャスミンちゃんそっくりやな~。すごいな~ってめちゃ褒めてくれはってんで!!』 って応えたんです。 うるうる・・・しました。 お友達のこともすごいなあと思いました。ともすればめがねをかけている、ちょっとやせている、ぽちゃっとしている、足が遅いということでもいじめの一因になってしまうこともある。 そんな中で、人と違うことを当たり前のこととして受け入れ、いいところを認めて口に出して伝えられる。 1年生でもできるんですよね。そんな考え方が当たり前だよと言う環境を作ってくださっている先生や学校にほんとうに感謝です。 いい友達に出会えてよかった。ジャスが自信を持って自分のことを受け入れられてることが伝わってきました。 昨日の日記にも『パパのお父さん(おじいちゃん)とお母さん(おばあちゃん)はアメリカ人です。』って誇らしげに書いていました。 この世に生まれてたった7年。 人ってすごいなあ・・・・自分自身を受け入れる、好きでいれるっと強いことなんですね。 |